― 屋根の塗装とは?なぜ行うのか? ―

屋根の塗装は必要なのか?その効果とメリットをプロの視点から解説します。屋根の塗装を検討している方は参考にしてみて下さい。


■目次



【屋根の塗装とは?なぜ行うのか?】


屋根塗装とは、屋根材に塗料を塗ることです。塗料を塗ることで、屋根材の効果を保つことができます。
屋根塗装の目的は、次のようなものが挙げられます。
・見た目をきれいにする
屋根は家の大きな面積を占めるので、屋根を塗装できれいにすることで、家の外観の印象がおおきく変わります。
・屋根の寿命を延ばす
定期的に塗装をすることで、屋根材の痛みを防ぐことができます。そして屋根本来の機能を長持ちさせることにつながります。
・防水効果を高める。
屋根の塗装で防水効果を高め、雨漏りや腐食の原因となるヒビ割れを防ぐことができます。
・節電効果
塗料には遮熱や断熱の効果が高いものがあり、それを使うことによって、夏場の室内温度の上昇をやわらげて、節電が期待できます。


【塗装が必要な屋根材と必要でない屋根材について】


屋根材にはいくつかの種類がありますが、塗装が必要な屋根材と必要でない屋根材があります。
・塗装が必要な屋根材
スレート、金属、セメント瓦
・塗装が必要でない屋根材
陶器瓦(粘土瓦の一種)
なぜ塗装が必要ないのかというと、陶器瓦は、釉薬(うわ薬)をかけて窯の中で焼き上げたもので、釉薬がガラス質になって、水の浸透を防ぐからです。耐久性に非常に優れています。粘土瓦全体で言えることですが、他の屋根材と比較すると重量があるため、耐震性に影響が考えられ、最近の家では使用されない場合もありますが、耐久性などから、あえて粘土瓦を選択する方もいます。


【屋根塗装のメリット】


屋根塗装のメリットは、なぜ塗装を行うかということにも通じますが、屋根の寿命を延ばすということです。まず最も重要なことは、塗装によって防水性を高めることです。屋根の機能として一番大切なことは、雨水の浸入を防ぐことと言えると思いますが、定期的に屋根塗装することによって防水性を高め、雨漏りを防ぐことが大きなメリットです。雨漏りを防ぐことで、屋根の腐食を防ぎ、屋根の寿命を延ばすことにつながります。



【塗料の種類】


では、屋根の塗料には、どのようなものがあるのでしょうか。機能や価格によって、次のような種類に分けられます。
・アクリル塗料
耐久年数:4~6年
価格は安いのですが耐久年数が短く、外壁よりもダメージを大きく受ける屋根にはあまり使用されません。
・ウレタン塗料
耐久年数:7~9年
比較的、安い塗料で、防汚性や施工性が高い塗料ですが、シリコン塗料が出てからは、比較すると耐久性が低いので、近年ではあまり使用されなくなった塗料です。
・シリコン塗料
耐久年数:9~12年
耐久性が高く、普及したことによって価格も低くなり、親しまれている塗料ですが、最近は、機能性塗料の出現によって人気が低くなりつつあります。
・フッ素塗料
耐久年数:15~20年
一般的な塗料の中で、耐久性が高く、価格も高い塗料です。塗り替えのサイクルを長くしたいビルや橋梁に使用されることが多いが、一般住宅で使用されることも少しずつ増えています。


【屋根塗装の費用と相場】


一般的な住宅の屋根塗装には、いくらくらい費用がかかるのでしょうか。
まず、どのような項目に費用がかかるのか考えていくと、次のようになります。
・足場
屋根塗装を安全に行うため、また施工の質を上げるために、足場を設置します。足場の設計・設置は、専門性が高いので、塗装業者の自社で行えない場合は足場専門の業者に依頼することがあります。
・養生
養生は、塗装する部分以外を保護するためにシートを貼ります。例えば、塗料が付いてほしくない自動車や周囲の庭木などを保護します。隣の建物と距離が近い場合、隣への配慮も必要になるので、飛散防止用のネットやシートを使用します。
・洗浄
塗装の前に洗浄し汚れを落とします。高圧洗浄機を使用して作業することが一般的です。
・下地処理
ヒビ割れや欠けた部分を補修します。金属の屋根では、ケレン(錆を落とす、塗料の密着のため傷をつける)も行います。
・塗装(下塗り、中塗り、上塗り)
シーラーやプライマーと呼ばれる下塗りの塗料を塗ります。そして、中塗り、上塗りというように、仕上げの塗料を2回塗ります。
・縁切り
スレート屋根の場合、塗料が完全に乾いてから、縁切りという作業を行います。塗料が屋根材の重なった部分の隙間を埋めてしまうので、その隙間をつくるために縁切りという作業を行います。屋根材同士の隙間があることで、雨水が流れ出る構造になっているので、大切な作業です。
・管理費、諸経費
塗装工事以外の交通費、安全管理費のことです。

屋根塗装の費用は、屋根の状態や形状、塗料の種類によって大きく異なります。屋根面積100㎡で、約25万~65万円が相場と考えられます。どのような項目に費用がかかるのかを知識として持ち、疑問に思う点などがあれば、しっかりと確認することが大切です。


【屋根塗装の流れ】


屋根塗装の工程は、だいたい次のように進みます。
近所への挨拶→足場の設置→洗浄→下地処理→養生→塗装→縁切り(必要な屋根の場合)→点検・直し→足場の解体・撤去
一般的な住宅で、1~2週間、工事期間がかかると思われます。塗装を重ねるので、乾燥の時間が必要になります。そのため、天候によっては工事が長引く場合もあります。



【屋根と外壁の同時塗装について】


屋根と外壁を同時に塗装することには、いくつかのメリットが考えられます。
・足場代の節約になる
足場代については、屋根と外壁を同時に塗装すると、足場の設置・解体の費用が1回で済むので、節約になると言えます。
・外観が一新され、新築のようになる
屋根と外壁が同じ時期にきれいになるので、全体がまるで新築のようになり、どちらかがきれいなのに、もう一方が古く見えるという、チグハグな印象を避けることができます。
・次回の塗装の時期が合わせやすくなる
屋根は外壁よりも、傷む速度が速い場合が多く、屋根の塗料を耐久性の高いものにして、次回も屋根と外壁の塗装を同時にできるようにタイミングを合わせることで、また足場代などのコストを節約することにつながります。